インフレリスクを考えるために理解したい3つのこと【モノ減らししないとマジでリスク】

インフレのときこそ、モノ減らし(断捨離)が重要じゃないか、というお話です。

「断捨離したいけど、インフレ来るなら、モノは高くなるから、まだ断捨離しないほうがいいかな?」
と心配な人、いると思います。

私も断捨離をしている身ですが、考えてみたところ、それは違うかもしれません。

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インフレ対策には断捨離

この記事でお伝えしたいことは、インフレだからこそ断捨離という話です。

そのほうがインフレリスクを軽減できるからです。
断捨離しないと、インフレにはリスクがあります。

インフレにそなえて特売めぐりとか、大幅なストックを考えていませんか?
おそらく逆です。急いで断捨離したほうがいいです。

インフレリスクを減らしたいなら、下記の3つを一度考えてみていただけたらと思います。

  • 自宅のストック(在庫)は資産じゃなくて負債、と理解する。
  • この先は、在庫にもインフレ分の金額が上乗せされることを理解する。
  • 在庫金額にインフレ分の「逆の利息」がついてしまい、キャッシュフローをさらに悪化させるリスクを理解する。

モノを減らす思考を取り入れていかないと、悪循環スパイラルに陥っちゃう可能性があります。

ではそのあたり、深掘りしていきたいと思います。
まずは、日本人には馴染みがないインフレについてから少しお話していきます。

インフレがやってきた

インフレがやってきました。
2022年ももう半分すぎましたが、モノの値段が上がっていますね。
大手メーカーは販売価格を上げています。
日本では隠れ値上げみたいのはありましたが、
もう堂々と上げていくしかない状況です。

インフレは世界的にはめずらしいことではありません。
仕事がら南西アジアの人と付き合いがあるので、インフレについてはよく話を聞いています。

アジア新興国、22年インフレ率3.7%に上方修正

日本経済新聞


そういう意味では過剰に恐れるものではありません。
日本はインフレは縁遠いですが、日本ならではの乗り越え方もあると思います。

世界は前からインフレしていた

南西アジアの人の話では、年に6%とか、インフレして物価が上がってます。
数値だけではわからないと思いますが、彼らの感覚値なので、
実際の生活に大きな影響が起こります。

なので、よく「インド人は昇給にうるさい」とかいいますよね。
当然です。昇給しないとインフレで、すぐ生活に影響が出ますので。
日本はあまりそういう意識はありませんね。
でもおそらく日本もインフレが進みます。いつまでかはわかりませんが。

ではなぜインフレにモノを減らす必要があるか、を考えます。

インフレにはモノ減らしがなぜ必要か

インフレのときだからこそ、モノを減らす必要性が高くなる。
インフレだからモノを溜め込むと、かえってリスクが高まる。

なぜでしょうか?
1つは「在庫問題」です。
過剰在庫がインフレ時のダメージを増大させるからです。

ここでためしに一度、なぜ在庫が負債になるか、を考えてみましょう。

自宅の在庫は負債と考える

「なにをおっしゃる、在庫は資産でしょ?」と思った方、いますか?

たしかにこれから物価が上がるインフレですから、おさらそう思いがちです。

本当に資産でしょうか?具体的に考えていきましょう。

たとえば、家の食材や日用品、現金化できるでしょうか。
おそらく売れませんので現金化は無理でしょう。
タダであげても、迷惑がられるかもしれません。
お隣さんと物々交換するとか、アイデアを言い出したらキリがありませんが、
どうこじつけても事実上負債です。
負債は借金と同じ仲間ですから、減らすしかありません。

もっと深く考えてみましょう。

例 企業(小売店やメーカー)で考えてみよう

わかりやすい例ですと、小売店ならどうでしょうか。
小売店などは決算時期に在庫処分セールしますよね。

販売している商品は、商品価値があるので経理上は資産です。
正確に言うと「棚卸資産」というやつです。
そんなわけで、資産は税金の対象なので、税金増えちゃいますね。

そしてもっと大きな問題はキャッシュフローが悪くなります。
企業は現金がなければ倒産の危機すらありますので結構死活問題です。
在庫という名のお金を寝かした資産は、資産のフリした金食い虫、となるんですね。
だから在庫処分セールをするんです。

さらに場所も取るので、家賃もかかります。
空調管理なども電気代も管理する人件費も必要です。
そういった、メンテナンスコストもかかります。
では一般家庭で考えると、どうでしょうか。

一般家庭の在庫には資産価値はない【事実上、負債】

先程の通り、一般家庭の在庫には資産価値がなく、売れるものではありません。
使いかけのシャンプー、売れますか?未開封新品だって売れるかあやしいです。
ためしにメルカリで売ってみてください。売れても送料の方が高く付くことまちがいなしです。

一般家庭の在庫も規模はちがうものの、企業同様に家賃やメンテナンスコストは地味にかかります。

そんなわけで事実上負債、というのは難しくありませんね。
負債なので「いつか使うかも」で持ち続けると、じわっとリスクをもたらします。

在庫を減らすと、購入量も自然に減る

断捨離などでモノを減らすと、あたらしく入るモノの購入量も同じレベルで減っていきます。

モノを置くのに許されていた場所がなくなるからです。
モノを置き続けると、その場所はいつまでのその場所の「アドレス」となります。
ソファーはここ、と決まるとなかなか変わりませんよね。
シャンプーはここ、洗剤の買い置きはここ、となっていくわけですね。
すると、モノはそこに置くものとなります。これすごい不思議です。
モノのアドレスを割り当てることになるんです。そんなつもりもないのに。

モノ減らしは「区画整理」

このアドレスを削っていく、区画整理していくのがモノ減らしだと思います。
町に大きな道路を作るには、区画整理をしないとできませんね。
すいません、道路予定地なので、売却してくれませんか?引っ越してくれませんか?
と交渉があると思います。
やっとこさ空き家にして、次の住民が来るのを防がなくては行けません。
そこで建物を壊して更地にします。
区画整理事業は結構たいへんと聞きますよね。

自宅のモノも同じで、こういう積み重ねでモノが減っていきます。

モノを捨てればいいんでしょ?では断捨離はできませんので、
区画整理を繰り返し、存在するモノを減らすのです。
何度も何度それを繰り返していきます。
仮に出ていってもらっても、うっかりアドレスを残してしまったがために、
次の住民が住んでしまうかもしれません。

まあ、この区画整理の大変さを思い出せば、そう簡単には増えなくなります。

1 in 2 outをしてみてください、痛感しますから。
これは断捨離に成功した人は100%同じ意見、と思います。

購入する量が減れば、モノの値段が上がっても問題ありません。
そのためにはアドレスを減らさなきゃいけない。
そんなわけでモノ減らしがなぜかインフレリスクを軽減するんです。

在庫と購入数を考え直すせば、インフレのリスクをもろに食らうことはなくなります。
いま時点で「モノが一杯だ」であれば、これを機に大きな改善が見込めます。

大チャンスです。いい機会なので一緒に考えてみましょう。

在庫率を考えてみる

ここまでの話を、在庫率をつかってイメージしてみましょう。

登場人物は「Aさん」「Bさん」です。

AさんとBさんは、ともに年間100万円のモノの購入しているとします。
年間の在庫率を
Aさんは在庫率50%
Bさんは在庫率10%

と想定します。

Aさん 在庫率50%:100万×50% =50万分の在庫 がのこる

Bさん 在庫率10%:100万×10% =10万分の在庫 がのこる

Aさんはあきらかに買いすぎですね。ここで在庫金額について考えましょう。

現金を眠らせる「在庫」【キャッシュフローの悪化】

この時点で、AさんとBさんの在庫金額の差は年間で40万円となります。
AさんはBさんにくらべて、現金をよけいに40万、眠らせていることになりますよね。

食料品や日用品とかで40万分、溜め込んでいます。
これだけでも恐ろしい話ですし、この現金があれば、
貯金も投資もできたかもしれませんし、不足の事態に活かせるかもしれません。

さらにAさんはBさんにくらべて5倍の在庫を持つことになります。
当然、ストック場所が余計に必要となります。
モノが収まりきらなければ、
収納を買おうとか、
狭いので引っ越ししなきゃ、
なんて言い出すかもしれません。
こうやって在庫はさらにお金を奪っていきます。

モノの家賃と電気代

モノは存在するので、そこにある以上、家賃も必要です。
家賃?と驚く人もいるかもしれませんが、存在する限りはその場所代は発生します。
もちろん電気代まで使います。
たくさん積まれた缶詰は家賃負担してくれませんので、居候と同じです。
その場所は缶詰に専用されます。
かりに家の100分の1を使っているとしたら、1%です。
こんな感じで家賃に対して効率は悪化します。

ここまでは、平常時の話です。ここからさらにインフレによる影響です。

引き続きAさんとBさんで比較していきます。

ここではわかりやすく、前年の在庫は使わない計算でいきます。

Aさん 

前年の在庫率50%:100万×50% =50万分の在庫

次年の在庫率50%:105万(インフレ分5%含む)×50% =52万5000円分の在庫

→ 2年間在庫合計 102万5000円

 

Bさん 

前年の在庫率10%:100万×10% =10万分の在庫

次年の在庫率10%:105万(インフレ分5%含む)×10% =10万5000円分の在庫

→ 2年間在庫合計 20万5000円

AさんとBさんの差額は二年間で82万となります。

すごい額になってきました。
旅行くらいいけるかもしれません。

さすがに前年の在庫は減るでしょ?と思うかもしれませんが、
前年使えてないモノを、次年にそれを使い切るなんて可能でしょうか?
想像しづらいですね。多分無理です。

これだけ買い続けているAさんがいきなり前年の在庫を使うでしょうか?

おそらく、新規で購入するタイプでしょう。

とはいえ多少は在庫は減ります。

食料品なら賞味期限切れで廃棄を待つことができます。たまにそれすら廃棄しない人もいますが。

そんなこんなで、在庫が在庫を呼び、コストも呼んでしまいます。
それにさらにインフレ分の逆貯金的利息がついてきます。

インフレが逆貯金の利息を生むことに

もし仮に銀行に預金したら5%の利息が付くなんてサービスがあったら、夢のようなお話ですね。リッチマンがこぞって預金しに来るかもしれません。

インフレ時の在庫は逆に悪い利息がつきます。
年間5%のインフレなら、なにもせずとも、平常時より5%の利息を奪っていきます。

そんなわけで、平常時でもモノを減らさないと、とは言われていますが、

インフレ時はさらに早急にすすめないとアブナイよ、ということです。

一朝一夕ではモノ減らしは難しい、だから
今日はじめて明日、というほど、断捨離は簡単ではありません。
だからこそ、1日でも早く着手して、モノを減らしておく必要性が高まります。

在庫率を下げるほど、現金を寝かせるリスクは下がっていきます。
その在庫率を下げるためにも、モノ減らし、収納を減らし、断捨離していく重要性を強く感じます。

まとめます

インフレ時こそ進めたいモノ減らし、やらないとリスクだらけ。
そのリスク回避に必要な理解はこの4つです。

・自宅のストック(在庫)は資産じゃなくて負債、と理解する。
・在庫はアドレスを持っているから、過剰なモノ増加を防ぐために、区画整理が必要となる。
・この先は、在庫にもインフレ分の金額が上乗せされることを理解する。
・在庫金額にインフレ分の「逆の利息」がつく。キャッシュフローをさらに悪化させるリスクを理解する。

インフレという社会現象を機に、自宅の在庫と向き合ってみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。