臍帯下垂ってなんだ!

こんにちは、くれこです。自称、やさしいクレーマーです。

今回は臍帯下垂について。

聞き慣れない言葉ですが、くれこは第二子が出産直前まで臍帯下垂でした。

結論からいいますと、私の場合は、幸運にも出産のギリギリに臍帯下垂は解決しました。

臍帯下垂と診断されたとき、当時のあまりの情報の少なさに、かなり不安な日々を過ごしました。
きっとどこかに同じ悩みをお持ちな方がいるかと思います。
そんな方の情報の足しになればいいなと、少しでも参考になりましたら幸いと思い、公開しています。

経験を時系列で当時の気持ちをベースに書いていますので、読みづらい箇所もあるかとおもいますが、
おつきあいください。

妊娠6ヶ月、逆子だった我が子

第二子を妊娠、近所の助産院出産予定でした。
逆子という診断を受けていました。
逆子は助産院では分娩できないので、提携医療機関で帝王切開になります。
助産院出産については、別記事で詳しく書いています

関連記事  助産院出産について

じゃあ、逆子体操でもするかな、とか、いや、逆子体操は危険、とかいろんな情報があって、
どうしたもんかな、と悩んでいました。

帝王切開って大変ですよね。できるなら普通に分娩できたらいいなあと。
第二子なので、初産と違って、心にゆとりもありますし。

そんなこんなを悩みながら、なぜか妊娠6ヶ月すぎあたりで、逆子も解消され、ほっと一安心していました。
男の子ということもこの時期にはわかっていたので、まだ見ぬ息子はどんな顔かしら、なんてのんびりとしていました。

「ちょっと赤ちゃんが大きいので、このままいくと巨大児になっちゃうから、出産大変かもね。」
なんていわれて、あまりじっとしてるのも良くないわね、と1歳の娘をベビーカーにのせて近所のショッピングモールをウロウロしたりする日々でした。

このあと、あんな不安が訪れるとは夢にも思っていませんでした。

臍帯下垂の診断

34週になると、助産院での出産予定とはいえ、定期検診は市立病院に行く必要がありました。

血液検査など、助産院ではできない検診ですね。
34週こえるとその頻度もふえました。
でも定期健診なんてなれたもので、受付して、採尿して、ときには検査して、受診です。

1歳になる娘をつれての通院は大変でしたが、慣れって本当に大事ですね。
なんとかなるもんです。

そんないつもの定期検診。
いつものコースで受診をしていると、超音波検査をしていると先生が、
「ハッ!」となにかに気づいたご様子です。

先生はブツブツいいながら、
「すいませんね、ちょっとまっててくださいね!」と慌てて離席してしまいました。

検査台の上で、例のM字開脚スタイルで放置でした。
恥ずかしいからせめてこの体勢を解除してから行ってくれよおおお

と思いながらそのまま待っていました。

10分くらいだったと思います。M字開脚で10分です。

やっと先生が戻ってきました。

どうやら上司の先生に相談に行っていたようです。

「服を着て診察室の椅子に戻ってください」と先生は言いました。
ようやくM字開脚解除・・・助かった~

と思いながらも、なんだか先生の様子が変なんです。

診察室の椅子に戻ると、先生は真剣なお顔でこう言いました。
「大変言いづらいのですが、現時点で臍帯が先進しています。」

臍帯先進(臍帯下垂)とは

さいたいがせんしん?

たいかのかいしん、なら知ってますが。

はじめて聞いた言葉です。
「なんですか、それ?」と思わず言っちゃいました。

漢字では「臍帯先進」と書くんですね。
漢字ならなんとなく意味も分かりますが、耳で聞くだけだとさっぱりわかりませんでした。
ただ、「言いづらい」と言ったので、きっと良いことじゃないんだろうね、と感じていました。

臍帯先進(臍帯下垂)は、ざっくりいうと、
へその緒が赤ちゃんの頭の先に来ている(先進している)状態を指すそうです。
下垂という言い方をするのは下にある赤ちゃんのアタマのさらに下に臍帯がはいっている、ということを指します。

もう少しわかりやすく言いますと、赤ちゃんの頭と子宮口の間にへその緒が入り込んで挟まってしまっている状態だそうです。

まあ、なんと器用な我が子・・・。
でも、医療にど素人のわたしは、「それがなにかありますか?」という感じでした。

臍帯先進のリスクとは?

この臍帯先進の状態で、仮に破水など起こしてしまうと「臍帯脱出」という状態になるそうです。
赤ちゃんの頭より先にへその緒が子宮から出てきてしまうからです。

そうなると陣痛によって、子宮口の収縮でへその緒をギュッと圧迫し、酸素や血液、栄養素が回らくなり、赤ちゃんの生命の危機もある、ということでした。

ここまで説明されても、実感が湧きません。
「なるほど~」
という感じでした。

さらにリスクの説明は進みます。

ど素人のわたしに先生の話が、だんだん話が頭に馴染んきました。
「え、それやばくない?それ私の事よね?^^」
と聞き返したくなるような気分になりました。

母体にはなんの感覚もないので、考えがまとまりません。
ほんとになんともないんで、実感がないんです。

どうしろっちゅうんや、という気持ちです。

すると先生から
「なんといっても、産気づいてしまうことが心配です。ですので、とにかく安静にしてほしいです。お姉ちゃんのお世話などで体への負担が心配ですね。なにかもはずみで産気づいたら危険ですので、家事全般、一切何もしないで安静にしてください。誰かお身内で見てくださる人はいますか?」

と言われました。

いや、そんな人はいないんです。夫も仕事でほとんどいやしませんし。
どうしよう…。

日頃は図太いワタシもオロオロしてしまいました。

入院のベッドが空き次第、即入院とのこと。
そのためにも上の娘の預かり先を探しておくように言われました。

夫は仕事が忙しいし、縁切り状態の自分の実家には頼れないし、
どうすればいいんだろう、と、思考停止状態に陥りそうになりました。

こんな時こそ、気をしっかり持たなくては!

と気を取り直し、先生に質問したりしました。
遠慮なくこのあたりは質問していきました。
クレーマーなんで、質問は得意なんです。

関連記事 クレームのすすめ

そんなこんなですぐに入院予定日・手術予定日まで決められてしまい、
即、術前検査(血液検査、心電図、レントゲン)となりました。

「まじか・・・来週には入院か。まいったなあ。」

と思いながらも、言われるまま検査を受けました。

午前中に来院した病院も、閉院に近い状態になっています。
広い病院はガランとして、娘が話したり歌ったりする声が響きます。

検査も終わり、病院の帰り道で仕事中の夫に電話して説明しました。

「え?なにそれ?大変だね。」と、まったく意味が分かっていないようでした。
そりゃそうですね。本人すら実感薄いですし。

でももう少し理解しろや、と心の中では毒づいていました。

帰路のバスに揺られて、眠る娘の傍らで、ググりまくりです。
いま振り返ると、わたしの不安はここからが本番でした。

まず、サイトがほとんどありません。

調べてみると「臍帯下垂」というものらしい、ということが分かりました。
「臍帯先進」より「臍帯下垂」のほうがサイトは情報が多かったです。(当時)

しかしどんなサイトを見ても、字ばっかりでまじめな医学情報サイトばかりです。

む、むずかしいぞ。結構マニアックなんだろうな、きっと。と思いました。
小難しいサイトを見れば見るほど、不安がどんどん膨れ上がりました。

だいたいどこのサイトもこのような内容でした。

下垂状態で破水などを起こすと「臍帯脱出」となり、臍帯を圧迫する。
胎児が無酸素により15分程度無酸素状態が続いた場合、胎児が死亡する可能性もある。
また助かっても低酸素脳症などの後遺症も引き起こしかねない。

おいおい、大変じゃないか。なんてこった。
危機感が湧いてきました。

臍帯脱出時は緊急手術です。膣から手を入れて臍帯を押さえながら帝王切開を行います。
めずらしくめまいがしました。ホラーです。
かなり珍しいようで、分かりやすいサイトがありませんでした。

当時の医療サイトと個人の方のブログ、産婦人科医の方のお話などをまとめてみました。

  • 臍帯下垂とは(逆子ではない状況で)臍帯が頭の下に入ってしまっている事。 
    この状況で破水、陣痛などが起こった場合、臍帯脱出となる可能性が高く、緊急帝王切開になる。
  • 臍帯が圧迫されてしまうので、膣側から臍帯が出ないように手で押さえながら帝王切開する。
  • 臍帯が長めの可能性大。その他原因としては着床場所が起因していることが多い。
  • 週数や子宮口の開き具合によっては発見次第即入院または帝王切開。
  • 週数によっては胎児が動くので治る可能性はある。
    臍帯下垂が治れば問題ないが、治らない場合は最短で37週で計画帝王切開となる。 
    (37週前では胎児の肺機能未熟なのでここまでは待つことが多い。)
  • 臍帯下垂を戻す運動などもあるが、効果は保証されていない上、臍帯が胎児の首などに巻き付く可能性があるので推奨されていない。
  • 臍帯下垂の発生率は妊婦の0.5%程度
  • 張り止めを処方され服用する、お腹の張りを感じるような行動は一切しないように絶対安静となる。
    医師によっては発見次第、即入院という診断もある。

私の場合、ベッドに空きがなく即入院とはならなかったものの、
「次週入院です」を宣言されました。
生まれてはじめてレベルで不眠症になりました。

臍帯下垂はおなかの赤ちゃんの生命を脅かす可能性があるとのこと。
万が一破水したら?早産を引き起こしたら?

つらい日々のはじまりでした。
眠れなかったり、緊張したり、不安だったりと精神的に不安定になりました。
時々カチカチに張ってしまうお腹にビクビクしながら過ごす日々。

立ち上がるたびに「ああ、お腹が張った。横になろう・・・。」の繰り返し。
処方された張り止めの副作用で、動悸が上がったり息苦しくなるので、さらに不安を掻き立てられます。
飲む意味あるのか?この薬?逆効果なんじゃないか?と愚痴る毎日でした。

パパである夫にもこの妊婦の不安を理解してもらう方が難しいものです。
タイミング悪く夫が海外出張だったりして長期不在になったりしました。

これは相当ケンカしましたが、どうしても出張を中止することはできなく、こちらは自宅で悶々とする日々。
不安すぎて、友人に一日だけ泊まりに来てもらいました。

炊事はもちろん、立ち上がるだけでも即お腹が張ってしまう状態が続きました。
1歳の娘には調理のいらないパンや、おにぎり、お菓子を食べさせてました。

またこれが悩みになります。
「こんな小さな子にこんな食事ばかりさせて、なんて母親だ!」
と、自分が自分を責めるダメスパイラル。
図太さには自信があったのですが、かなり落ち込みました。

やばい、このままではいかん、と奥の手を考えました。
実母に連絡しました。

実母との確執

なぜ実母が奥の手、かといいますと、実母との関係が良くなかったのです。
電話で事情を話し、週明けの入院まで、数日でいいから面倒を見てほしい、を依頼しました。

ただ、母はあまり状況を飲み込めなく、

「臍帯が巻き付いた?よくあるじゃない。」という雰囲気です。
臍帯巻絡は30%くらいあるそうですので、そうかもしれませんが。

あきらかに迷惑そうでした。
うわああ、まじ頼んで損した、と思いましたが、そんなことも言ってられないので、
「会って詳しく話すから」と、電車で2時間かけて母の家へ娘を連れて行きました。

本当は安静なので長距離移動はNGでしたが、いたしかたないです。

ここは同じ状況の方は、移動せず、絶対安静にしてくださいね。 

到着早々、母より言われたのは、これです。
「今の人は出産が遅いからトラブルが多い。」

ああ、もうこいつ、勘弁してくれよ、
と思いながらも、数日世話になるのでさらっと聞き流し、食事や長女の世話をお願いしてました。
たしかにくれこは高齢出産でしたが、いま言わなくてもいいのでは?と思いました。
それでも、我慢。入院までの辛抱と自分に言い聞かせました。

ほんとに何もできない私に2日で嫌気が差した母は、ついに嫌味を言い出しました。
こちらもガマンも限界到達しました。数年ぶりにブチぎれました。

くれこはクレーマーとしてあるまじき行為です。クレーマーとして本来は冷静に交渉するはずなのですが、
このときばかりはムリでした。
母の家のまで、怒鳴り声をあげ、大騒ぎ。

焦って引き止める実母をさらに怒鳴りつけ、娘をつれてゆっくりゆっくり帰りました。

帰宅し、遠方の義実家に連絡。
長女を預かってもらえるようにお願いしました。
義母は快諾してくれて、「いつでも来なさい!」と言ってくれました。

義実家は遠方なので遠慮していたら、最初っからこちらにお願いすべきだったな、と反省しました。
実母と比べてあまりにも優しい義母。捨てる神あれば拾う神あり、ですね。

義母のおかげで元気をとりもどした私は、
助産院に相談したり、もう少し近い病院にするか検討したり、市役所に電話したり、
緊急サポートの保育所を探したりしながら過ごしました。
結構やることが多かったです。
とにかく安静にするしかない状態で、お腹をさすってお腹の赤ちゃんに話しかけてました。

検診の前の日はほとんど眠れませんでした。そして、検診の日、エコー、超音波、触診を行いました。

臍帯がなぜかもとに戻っていた

ほぼほぼ放心状態でうけた検査のあと、先生が、
「臍帯が元に戻っていますね。すごい!念のため一週間様子を見ましょう。」
という診断をもらいました。

よっしゃ!ほれ見たことか!!やっほーい!一気に安堵が押し寄せ、涙がちょちょぎれました。

なんだか心は軽くなり、軽やかに帰宅。

さらに一週間後の再検査でも臍帯に異常がなかったので、入院&手術予定はキャンセルになりました。

臍帯下垂についてのお話はここまで、です。

ここから体験者として、もし同じ状況でお悩みの方へお伝えしたいこと書いてみます。

【絶対安静】もし臍帯下垂と診断されたら

臍帯下垂は経験上、まったくと言っていいほど実感がありません。
「大丈夫でしょ。」と思ってしまうかもしれませんが、絶対安静です。
大げさに受け止めて、安静にしてください。

実家などに頼れる人は子供を預けて入院する、というのがベストだと思います。
誰かに甘えてください。

そしてここが重要なんですが、はっきり言って、誰も理解してくれません。
というのも、見た目に問題もなく、母体は元気なので。
聞き慣れないキーワードに、「へぇ~・・・。」ってなもんです。
ほんとうの理解を求めても、私の場合は無理でした。

なので、理解してもらおうとせず、とりあえず病院のせいにして、助力を頼んでください。

言い方は悪いですが、おどしてでも、協力してもらってください。

臍帯下垂の確率について

後日談ですが、臍帯下垂は大きな病院でも年に一人いるか、いないかだそうです。
たしかに、妊婦さんの0.5%程度ということなので、そうかもしれませんね。

そして破水や陣痛が起こってから発覚するケースも多いようです。
そういう意味では事前に臍帯下垂と分かっただけ、ラッキーだったのかも知れません。

臍帯下垂は治る

臍帯下垂が治った事実だけはお伝えしたいです。

くれこは医学知識もありませんが、 この経験だけは共有できますので
自分の経験や苦しみが、誰かのお役に立てればと思います。

治った人がいるということを信じて、できるだけ気持ちを緩やかに過ごしてください。

臍帯下垂を経験して思うこと

「案ずるより産むが易し」といいますが、出産ってほんとうに心配ですよね。
妊娠出産は「大丈夫。みんな産んでるよ!」と、わかっちゃいるけど不安です。

そんな状況で、さらに追加で「あなたは大変な状態です!」と言われたら、
これは本当に不安でしかありません。

自分だけならまだしも、赤ちゃんの生命に関わる、と言われてしまうとどうにもなりません。
記事作成しながらも、「この記事を読んでかえって不安になる方もいるかも…?」と迷いました。

でも当時のくれこは、臍帯下垂についてネットにもあまりに情報が少ないこと、
なんだかわからない得体のしれなさに相当不安でした。

もしかしたら、知っていたほうがいい場合もあるかもしれない、と思い、この体験を公開することにしました。

周囲のサポートは必ずしも厚いとも限りません。
臍帯先進、臍帯下垂という状況を、ご家族や周りの方にうまく説明するのが難しい、
そんな妊婦さんやご家族の参考になれば幸いです。

逆子で臍帯下垂だった息子は、その後予定日の翌日に、破水から1時間たらずで生まれてきてくれました。
スピーディなお産、ほんとうに助かりました。

いまは元気なサッカー少年です。

こちらも経験上、サッカー少年に役立つグッズ紹介してます。

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こちらはサウナ大好きなくれこが、サウナが子育てに良かった話も書いています。

子育てのイライラにサウナ【怒ってばっかりじゃつらい】

最後に、わたしが臍帯下垂を体験した数年後ではありますが、
こんな記事がありました。
こそだてハック 臍帯脱出・臍帯下垂とは?原因やリスクは?治療法はあるの?

ご参考にしてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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