臍帯下垂ってなんだ!

ワタシの経験を時系列で書いていますので、長めな記事です。

臍帯下垂とは?

いまから数年前、ワタシは二人目の子を妊娠してました。
近所の助産院出産予定でした。
逆子でしたので、助産院出産は出来ない可能性がありました。
逆子は自然分娩できないので、
提携医療機関で帝王切開になります。

過去記事  助産院出産について

ところが、なぜか妊娠34週になり逆子も解消され、
ほっと一安心していた時の定期健診でした。

それは34週の検診の日

助産院では精密な検診が受けられないので、
定期的に大きな市立病院へきました。
これは血液検査など、定例のいつもどおりの検診です。
受付して、採尿して、なんだかんだで検診。

超音波検査をしていると先生が

ハッ!

となにかに気づいたご様子です。

先生そのまま慌てて離席してしまいました。
私は検査台の上で、例のM字開脚スタイルで放置でしたので、
恥ずかしいからせめてこの体勢を解除してくれよおおお
と思って待っていました。

しばらくすると先生が戻ってきました。

どうやら上司の先生に相談に行っていたようです。

服を着て診察室の椅子に戻ってくださいと
先生はワタシに言いました。
やっとM字開脚解除令・・・助かった。

診察室の椅子に戻ると
先生はすごい真剣なお顔でこう言いました。
「言いづらいのですが、現時点で臍帯が先進しています。」

臍帯先進(臍帯下垂)とは

さいたいがせんしん?

なんのことだろう?聞いたこともない言葉です。
字で書くとなんとなく分かりますが
耳で聞くだけだとさっぱりわかりませんでした。
ただ、「言いづらい」と先生は言ったので
良いことじゃないんだろうね、と感じていました。

臍帯先進(臍帯下垂)は、ざっくりいうと、
へその緒が赤ちゃんの頭の先に来ている(先進している)
事を指すそうです。
下垂という言い方をするのは
アタマの下に入っているという状況ですかね。

赤子の頭と子宮口の間にへその緒が入り込んで
挟まってしまっている状態だそうです。
まあ、なんと器用な・・・。
ど素人のワタシから言わせれば、「それが?」という感じでした。
そしてこの段階では別に胎児にはなんの問題もありません。

臍帯先進のリスクとは?

ここからが本題です。

仮にこの時点で破水など起こし、
早産になると赤ちゃんの頭より先に
へその緒が子宮から出てきてしまいます。

子宮口と胎児の頭や、陣痛による子宮口の収縮で
へその緒をギュッと圧迫し、
酸素や血液、栄養素が回らくなり、
赤ちゃんの生命の危機に至る、ということでした。

ワタシはまだ実感なく、のんきなもんで

「なるほど、胎児はお腹の中にいれるのも
 へその緒様のおかげですもんね!」

なんて合いの手入れながら話をしていました。

ワタシがあまりにヘラヘラしているのを見て
心配だったと思います。先生すいませんでした。

リスクの説明は進みます。

だんだん言葉の意味が頭に馴染んでくると、

「はい?それ私の事?^^」

と聞き返したくなるような気分になりました。
というのも母体にはなーんの感覚もないのです。

「とにかく安静にしてほしいです。
 お姉ちゃん(2才児)のお世話などで体への負担が心配ですね。
 誰かお身内で見てくださる人はいますか?」
と言われました。

いや、いないんです。どうしよう…。

「入院の可能性が高いので、
 お子様のお世話の件、検討しておいてください。」

と、言われ、
「あらあら、大変・・・」
と図太いワタシもオロオロしてしまいました。

とはいえ、誰に娘2歳を見てもらおうか?

パパは仕事が忙しいし、ワタシの実家には頼れないし。
不安で思考停止状態に陥りそうになりました。

いかんいかん!
こんな時こそ気をしっかり持たなくては!と気を取り直し、
色々質問したりしました。
すぐに入院予定日・手術予定日を決められてしまい、
その直後に術前検査(血液検査、心電図、レントゲン)となりました。

言われるまま検査を受けました。
定期検診は術前検査に変わり、
病院はもう閉院に近い状態。
広い病院はガランとして、娘が話す声が響きます。

やっと検査も終わり、帰り道でパパに電話して説明しました。
「え?なにそれ?」
と、まったく意味が分かっていないようでした。
そりゃそうですね。

帰宅しながらバスに揺られて眠る娘の傍らでネット検索。
ググりまくりです。

調べてみると「臍帯下垂」というものらしい、
ということが分かりました。
臍帯先進より臍帯下垂のほうが情報が多かったです。

しかしどんなページを見ても
文字だらけの医学情報サイトばかりです。
げー、みづらーい。
たしかに、結構マニアックなんだろうな、と思いました。
小難しいサイトで不安がどんどん膨れ上がりました。

だいたいどこのサイトもこのような内容でした。

下垂状態で破水などを起こすと「臍帯脱出」となり、
臍帯を圧迫することにより
胎児が無酸素により15分程度無酸素で
悪いときには胎児が死亡する可能性もある。
また命は助かっても低酸素脳症などの後遺症も引き起こしかねない。

おいおい、大変じゃないか。なんてこった。
こんな事だなんて。
やっと実感が湧いてきました。

緊急手術では、膣から手を入れて臍帯を押さえながら帝王切開を行います。
めまいがしました。ホラーです。

珍しいようで、分かりやすいサイトがありませんでした。

医療サイトと個人の方のブログ、
産婦人科医の方のお話などをまとめてみました。

  • 臍帯下垂とは
    (逆子ではない状況で)臍帯が頭の下に入ってしまっている事。
    この状況で破水、陣痛などが起こった場合、
    臍帯脱出となる可能性が高く、緊急帝王切開になる。
  • 臍帯が圧迫されてしまうので
    膣側から臍帯が出ないように手で押さえながら帝王切開する。
  • 臍帯が長めの可能性大。
    その他原因としては着床場所が起因していることが多い。
  • 週数や子宮口の開き具合によっては
    発見次第即入院または帝王切開。
  • 週数によっては胎児が動くので治る可能性はある。
    治れば問題ないが、治らない場合は最短で37週で計画帝王切開となる。 ※37週前では胎児の肺機能未熟なのでここまでは出来るだけ待つらしい。
  • 臍帯下垂を戻す運動などもあるが、
    効果は保証されていない上、
    臍帯が胎児の首などに巻き付く可能性があるのでお勧めできない。
  • 発生率は妊婦の0.5%程度
  • 張り止めを処方され服用する、
    お腹の張りを感じるような行動は一切しないように絶対安静となる。
    病院によっては発見次第、即入院という診断もある。

私の場合、ベッドに空きがなく即入院とはならなかったものの、
「次週入院です」と言われ、
生まれてはじめて不眠になりました。

臍帯下垂は即赤ちゃんの生命を脅かすと
可能性があるとのこと。
万が一破水したら?早産を引き起こしたら?

時々カチカチに張ってしまうお腹にビクビクしながら過ごす日々。
立ち上がるたびに
「ああ、お腹が張った。横になろう・・・。」の繰り返し。

処方された張り止めの副作用で
動悸が上がったり息苦しくなるので
さらに不安を掻き立てられます。

飲む意味あるのか?この薬?逆効果なんじゃないか?
と愚痴る毎日。

そんな最中、主人と喧嘩、というか、
こちらが一方的に怒ってしまいました。
やっぱりこの妊婦の不安を理解してもらう方が難しいものです。
主人は出張だったりして不在、こちらは自宅で悶々とする日々。

炊事をすると即お腹が張ってしまうので
二歳の長女には調理のいらないパンやお菓子を食べさせてましたが、
「さすがにこれではかわいそう」と思ったのもありました。
これが結構辛いです。
お腹の子のせいで、上の子を苦しめている自分を自分が責める。
やばい。

でも精神的にもうダメだ、と思ってしまいました。

母とワタシの関係は良くないので、
かなりの苦肉の策でした。

頼みたくないけど、仕方ない。
電話で母に事情を話しましたが、
あまり状況を飲み込めてないようでした。

「臍帯が巻き付いた?よくあるじゃない。」
ぐらいしか理解してもらえません。
(臍帯巻絡は30%くらいあるそうです。)

「とりあえず行くからよろしく。」と

電車で一時間かけて母の家へ長女を連れて行きました。
本当は安静なので長距離移動はNGでした。

到着早々、母はワタシに言います。
「今の人は出産が遅いからトラブルが多い」

また持論持ち出したぞ、と思いながらも
たしかに私は37歳で初産、38歳で二人目妊娠です。
確かに遅めではあります。

理解力のない母に腹は立つものの、
数日世話になるのでさらっと聞き流し、
食事や長女の世話をお願いしてました。

すると2日目で何もしない私に嫌気が差しついに嫌味を言い出す母。
ブチギレたワタシは

もう帰ります。

母親なんてこんなもんです。ワタシだけかな?

さすがにやばいと思ったのか
焦って引き止める母を無視して、
ワタシは娘を連れて1時間の道のりを
3時間かけて帰りました。

子を産んだ母ならこの状況や不安をわかってくれるかな?
と思っていましたが大間違いでした。
むしろ逆に妊娠期にトラブルがなかった母には理解できないようです。

主人の実家に長女を預かってもらえるようにお願いしたり、
助産院に相談したり、
入院するならもう少し近い病院にするか検討したり、
市役所に電話したり、
緊急サポートの保育所を探したりしながら過ごしました。
結構やることが多かったです。

ちなみに義母は快諾してくれて、
「いつでも来なさい!」と言ってくれました。
実母と比べてあまりにも優しい義母。
なんだか悲しくなりました。

とにかく「安静にするしかない」状態でした。
お腹をさすって
「ほらー、頭の下からへその緒を出しなさい~」
とお腹の赤ちゃんに話しかけてました。
多分、意味はないです。

検診の前の日はほとんど眠れませんでした。
どうか元に戻っていてください…。
そして、検診の日、エコー、超音波、触診を行いました。

臍帯がもとに戻った

先生が「臍帯が元に戻っていますね。
すごい。一応一週間様子を見ましょう。」
という診断をもらいました。
よっしゃ!ほれ見たことか!!やっほーい!
一気に安堵が押し寄せ、涙がちょちょぎれました。
安堵から、食べまくって、その後2日で3kg体重が増えました。

さらに一週間後、
臍帯に異常がなかったので
入院&手術予定はキャンセルになりました。

もし臍帯下垂と診断されたら

無理は禁物です。
実感がありませんから、「大丈夫」と
思ってしまうかもしれません。
大げさに受け止めて、安静にしてください。

実家などに頼れる人は子供を預けて入院する、
というのがベストだと思います。
絶対誰かに甘えてください。

臍帯下垂は絶対安静にする

妊娠出産ってやつは
「大丈夫。みんな産んでるよ!」
と言われても不安なのに、

「破水したら大変です」
と言われたらそれこそ不安で仕方ないですもんね。

しかも自分の痛みとかだけならまだしも、
赤ちゃんの生命に関わる、
と言われてしまうとどうにもなりません。

臍帯下垂の確率について

あとで先生に聞いてみたら、
臍帯下垂はその大きな市立病院でも
年に一人いるか、いないかだそうです。
そして破水や陣痛が起こって気づくケースの方が多いようで、
そういう意味では事前に分かっただけ
私はラッキーだったのかも知れません。

臍帯下垂を経験して思うこと

こういう事を読んで不安になる方もいるかもと迷いましたが、
私自身がわからないことが
とても不安でしたので
同じ不安の妊婦さんやご家族の参考になれば幸いです。

臍帯下垂は治る

ワタシは医学知識もありませんが、
この経験だけは共有できますので
経験や苦しみが、誰かのお役に立てればと思います。
臍帯下垂が治った事実だけはお伝えしたいです。
治った人がいるということを
信じて気持ちを緩やかにもって過ごしてください。

妊娠、出産は謎や不思議なことが多いけど

残念ながら周りのサポートは必ずしも厚いとも限りません。
そして妊娠出産は人生で数回程度。
そのせいか謎、不思議、不安なことが多いですよね。

妊娠出産にまつわるトラブルはいろいろありますが、
臍帯下垂を、ご家族や周りの方にうまく説明するのが難しい、
そんな方に読んでいただき、活用して頂ければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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